しばらく沈黙が続いた。


周りには楽しそうに笑うカップル、机の上に書類を広げるビジネスマンや、仲の良さそうな親子。


私と真の間だけに静寂な時が過ぎていき、カチャ…カチャ…っとフォークやスプーンの音だけが無情に響いた。


「怒ってるん?」

「別に」

「嘘やー!めっちゃ怒ってるやん!!」

「怒ってないから」



別に…………


あの人が使う言葉の中で一番嫌いだった言葉。

それを聞くたびに何を考えてるのか分からなくて、寂しくなった。

そして苛立ちにも変わった。


なのに私は今その言葉を真に使う。キャリアを取った私は嫌な女でしかないことにひどく嫌気がさした。

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