コーヒーの香りがまたあの人を思い出させた。でもそれよりも真が意外にコーヒーを飲めると言ったことを思い出した。



人々を見下ろす。
すると…。


「あ…」


私の間抜けな声に「何?」と由利は持っていたカップを皿の上に戻した。


「あれ」



由利は私の指差す方向に目をやる。その先には…。


「真」

「え!?年下ボーイ?かっこ可愛いじゃん!背も高いし…」


由利は言葉を続けなかった。

きっと私の表情に気がついたのだろう。

やりきれない複雑な感情。
感情を顔に出してしまうのは由利の前だけ。


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