「ありがと、何か落ち着いてきた。由利にはかっこ悪いとこばっかり見せちゃってるね」

「何言ってんの今更!そんな利砂子が私はいいの!」

由利は照れくさそうに言った。やっぱり真と同じことを言ってくれる。

「由利も三日月好きなんだ」

「は?三日月?」

「独り言」

訳が分からないといった顔をしている由利をよそに、私は微笑みながら紅茶を一口飲む。ほど良い温かさが口に広がり、心まで温かくなった気がした。

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