「何で月の話?」

見上げながら問う私の前にしゃがみ込み真は答える。

「辛気くさい話嫌いやから!」

「はぁ?」

にかっと笑う顔、夜風に混じる真の香水…高鳴る鼓動は静まらない。

「もう!真剣に話してるのに」

呆れたように言う私。

「俺やって真剣に話してるよー」

下からのぞき込むように見上げる真。

「怒ってへん?」

「…反省してるとこ」

「俺の質問に合ってないで」

「あんたはいつもそうでしょ」

「ふーん、そうなん?」

「そう」

真との会話が嫌いじゃない。むしろ好き。
満月は一端雲に隠れる。

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