つまり、現代人は"完璧"を求めすぎているということだろうか。私も結局現代人か…。真の話はいつも突然だけど妙に納得してしまう。
「あ、あのさ、今バイト終わったとこなんだけど―」
「うん、知ってる」
私が言いかける途中で真は答えた。その声は電話で聞く声よりリアルに聞こえた。
「後ろ、後ろ」
間違いじゃない、近くで聞こえる真の声。斜め後ろから近づいて来た人影に確信を得た。
「何でいるわけ?」
「何でって…りさこさんに会いに」
私たちは近くの公園へと移動した。公園なんてベタすぎる…なんて思いつつも、中学生の頃初めて付き合ったときのことを思い出して少し笑った。
「俺って無神経…かな?」
「うん、ちょっと」
「え!そこ普通言う?!」
「何よ」
初めて話したときのようにツンと大人の余裕を見せる。…っというのも、素直に"ごめんね"とか"私の方こそ"なんて言えない私の性格なだけ。
「俺めっちゃヘコんでたのにー」
「あら、慰めてほしい?」
「うん、ちょっと」
意地悪な笑みを浮かべて言う私に真はかわいい年下ながらの笑みを浮かべて言った。
< 41 >
[1]次へ
[2]戻る
[0]目次
Tag!小説
トホーム