いくつかのCDを手に取りながら森田くんはさり気なく聞いてきた。

「あの、余計なことかもしれないですけど…真とケンカでもしたんですか?」

「………あ〜」

心当たりはなくはない。と言うかむしろこの前のことが原因。忘れてたけど森田くんたちは私を真の彼女だと思っている。それが出会うきっかけだったのだけど…。

「ケンカって言うか……まぁ。真何か言ってた?」

あぁ、これではまさに彼女の言葉だ。

「んー何か"怒らせたかも"ってへこんでて」

どうりで最近コンビニに来ないわけだ。怒らせたなんて…私の方が気にするべきなのに。

「あいつ、人のことに何でも突っ込んでくるんですけど、それがいいとこでもあって悪いとこでもあって…何て言うか」

森田くんはうまく言葉がまとまらないと少し笑った。

「違うの、私が悪いの。ついかっとなっちゃって…その」

私もうまく言葉がまとまらないと笑った。"分かります"と森田くんは微笑んだ。

「プライドを持ってる人って意地が邪魔しますよね」

少し遠くを眺めながらの森田くんの言葉に、曇った顔をしていた私はぱっと顔を上げた。

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