「こんにちは」

ふいに声をかけられ驚いた。

「あ、えっと…森田くん?」

「はい、よかったー忘れられてるかと思った」

「覚えてるよー」

嘘。
ついさっきまで忘れていた。とっさに浮かんだ名前があっていてよかった。
ここで明かされる、森田くん=真の「先輩」である。

「偶然ですね」

「ほんと、よく来るの?」

「まぁ、一応DJなんで」

なるほど。
"むしろ俺のが、よく来るの?って聞く方ですよ"
っと森田くんは笑った。
うららかな昼間に私がCDショップにいるのは不釣り合いらしい。

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