私はもうあの会社の人間じゃない。いつまでも"私は上の人間"なんて最低な考えを持ってちゃいけない…それは分かってるのに…。
一向に口を開かない真を横目でチラリと見ようとしたとき―。



トンっ……


真の頭が私の肩に寄りかかってきた。
そういえば、お酒弱いんだった。人が真剣な話をしてるというのに寝るとは…さすがと言うか何と言うか。
でも少しホッとしてしまった。あのままの気まずい空気をどうすればいいのか分からずにいたから、寝てくれて助かったのが本音。

「……ごめんね」

ポツリと呟いて、起こさないようにそっと立ち真の部屋をあとにした。

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