「あ、待たせてしもた?」

「別に」

「ほな、行きましょかー」

真はくるっと向きを変え、駅の方へ歩き始める。

「ちょっと!もしかして電車で行くの?」

「え?そうやけど…何で?」

真はきょとんとしていた。

「車じゃないわけ?」

「りさこさーん、大学生がみんな車もってる思たら大間違いやで〜。大丈夫、電車で二駅やから」

そう言って無邪気な笑顔を見せてまた歩き出した。
私の今までの世界では送迎は全て車。いわゆるリッチな世界だったわけで、電車なんてここ数年全く乗ってないに等しかったのだ。

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