次に嫌な人だと思った。
「何よそれ!生きるのが怖い?私が!?私はただ疲れたの、怖くなんかない!!」
男はポケットから煙草を取出しながらすぐに言い返してきた。
「ふーん、じゃぁ逃げてるんだな。世の中から」
「違うっ!!!!!」
かっとなって思わず大声をあげてしまった。何をこんなに取り乱しているんだろう?
もう、おしまいなのに。
私は外の住人になるのに。空から見下ろすの。今日もあさはかな人間ばかりだと…。なのに、最後の最後に何故こんな必死になっているのか。また沈黙のときが流れ、男は静かに煙草を吸った…。
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