最初は、よく分からない人だと思った。



一体何が困るというのだろう。そもそも、この男は誰?しばらく沈黙のときが流れた。
「まぁ、もう少し頑張れや」
人を引き止めておいて、適当な言葉をかけてくる。そんな心ともない言葉なんてもう、うんざりだ。
「嫌。もう疲れたの」
「疲れた?」
「そう。ペコペコ頭さげながら携帯片手に走ってるサラリーマン、地べたに座り込む高校生、見せかけだけの親子。……………つまらない世の中」
私は遠くを見た。すると、男は私をジッと見つめてはっきりと言った。
「つまりお前は生きるのが怖いんだろ?」


< 2 >

[1]次へ
[2]戻る

0]目次

Tag!小説


トホーム