『笑顔の前』


 あるビルの屋上から、今にも飛び降りようとしたとき、誰かが私の腕を引ぃた………。
「お前死ぬのか?」
驚き振り向くと、そこには見知らぬ男がつっ立っていた。
「そう、悪い?」
ツンとした感じで私が答えると、男は少し眉間にシワをよせ言った。
「別に悪くねーけど…。死にたいならそうすりゃーいい。俺は基本そう思ってんだ」
男の言葉に今度は私が眉間にシワをよせた。
「言ってることが矛盾してる。そう言って、あなた今私を引き止めたじゃない」男はのんきにもあくびし、一息ついてから私の言葉に返答した。
「お前に今ここで死なれると困るんだよ」



         続く…

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