有希へ
病気のこと黙っていて悪かった。有希が家族を失うことを何よりも恐れていたのに俺はそれを実現してしまった。
有希と出会った二年前にはもう体は絶望的な状況で俺はもうすべてどうでもよくなって有希を買ったんだ。そして抱いてあと有希の絵を描いていて思ったんだ。「生きたい」ってこのひとが一緒なら生きていけるだろうと思った。根拠はないけどそれは何より確実な実感だった。
有希と生きた時間が俺の人生で一番輝いていた。勝手にそんなふうに思って死んだ俺を許さないで幸せになってほしい。

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