「なぁ、さくら…」

「ん?」私はゆっくりと目を開いた。見つめ合ったまま、夏希は黙っている。すると夏希の唇がそっと私の唇に触れた。…初めての、キス。

「…っ」私はもちろん慌ててしまった。真っ赤になって俯いた。

「…俺だけのものな」夏希はそれだけ言って顔を私の肩に乗せた。

その言葉に私は目を見開く。
余裕なんてないけど、夏希の顔が見えないのを少し残念に思う。


「そんで、俺はずっとおまえのもの」

< 123 >

[1]次へ
[2]戻る

[0]目次

Tag!小説


トホーム