その言葉に私は思わず赤くなる。
「自分が言ったんだよ?私に覚えとけって」
必死にそう言う私を一瞥してから木崎は微笑んだ。
「分かってるって」
「…9月2日。私の誕生日」
その言葉に木崎は今度はゆっくりと笑みを浮かべる。
「オーケー。了解」
私は訝しげに木崎に目をやる。
「何がよ?」
「その日に曲名の意味教えてやるよ」
私は呆れた。なんでまたそんな面倒な事を言い出すのだろう。
「今じゃダメなの?」
「だーめ」
木崎のゆっくりと告げた言葉がやけに私の耳に残った。
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