「可笑しかったね」
木村君が手を口元に当ててまだ笑ってた。
「そりゃどうも」私は素っ気なく返す。
「…そうだ。さっき、まゆかちゃんが来る前に言いかけたんだけどさ、なんでさくらちゃんは新城を知ってるの?」
私はゆっくりと一部始終を話した。
「あのふたり、私の発表会の時はもう付き合ってたんじゃない?」
そんな気がする。木崎が女友達を呼ぶとは思わなかった。ましてや仲の良い木村君も恥ずかしがって呼ばないというのだ。
「…うん。そうだよ」
木村君の声が私の頭で響く。
「ふたりはもう、付き合ってた」
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