ゆっくりと辺りを見渡す。
可愛いオルゴールがカウンターの端にあり、花びらの型のライトが上で輝いている。
随分と落ち着いたレトロな雰囲気だ。
…前に木村君と来た時と少しも変わっていない。
(ミルク…入れたいな)
壁のやや上のほうの可愛らしいカゴに手を伸ばす。
(と、取れない…)たかがミルクのためとはいえ…なんか腹立つわ。あと少しで届くのに。
必死な形相で悪戦苦闘していると
「呼べよ。ばか」真正面から声がした。カウンター越しに木崎と目が合う。
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