その言葉に私はゆっくり振り返った。
そして、
「ありがとう」
とそれだけ言い笑顔を向けた。
「おう」とだけなっちゃんも短く答えた。
それからふたりして準備室へと歩きだす。
「ねぇ、なっちゃん何番目だっけ?」
「最後」
「嘘?すごっ」
「まあね」…そういうところが憎らしい。
「…それと、『なっちゃん』はやめろ!『木崎』って呼べ」
「やだよ」
「きざき、はい、言ってみ?」
「きーざーきー!!」思いっきりでかい声で叫んでやった。
「…よろしい」
木崎の満足そうな笑みはしばらくの間、私の頭から離れなかった。
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