先生は腕時計と部屋に設置してあるモニターを見ながら告げた。
「さぁ。あともうすぐでさくらちゃんよ。心の準備はいい?」
「ええ。もちろんですよっ♪」私は明るく言った。わざと明るく振る舞った訳じゃない。不思議な事に自然と緊張は解れていた。…うん。大丈夫。きっと。
部屋を出てステージの幕の側まで行く。
すると後ろから声を掛けられた。
「おい」
「え?」
「…頑張れよ」
振り向くとなっちゃんの眩しいくらいの笑顔が、そこにあった。
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