「あーもう!皆に名字で呼ばせてんのに。」少し苛立ったような言い方だ。
「ねぇ、ここのクラスなの?なんか一人でうろうろしてて…。哀しい人ね…」語尾を小さくしたがまたしても思った事を口にしてしまった。
「違ぇよ。俺は8組だ。生徒会でここの見回りしてんだよ。とにかく帰れ!イヤでも帰れ!おまえ一人でも帰れ!」

何故そこまで言うのか分からなかった。その時は。

「恥ずかしがってんじゃないの〜?てかさくら勇気あるよー」まゆが言う。
「いや、あれは死んでも恥ずかしがる奴じゃない…」
理由が分かったのは次の瞬間だった。

< 14 >

[1]次へ
[2]戻る

[0]目次

Tag!小説


トホーム