私はバカみたいに口を開けたままぱくぱくしていた。無意識に。

「なんだおまえ。金魚になってんぞ」

…この口の悪いイヤな奴が『ナツキちゃん』…。。なっちゃん、私はショックだょ。。

あの軽やかに滑らかに緩急を付けてソナチネを弾き、皆を魅了させたのがこの男…。。

私があまりに眉を顰めて凝視してるので
「なんだよ」と木崎は言い放った。
「俺、何かおまえにしたか?」
「十分言葉の暴力を受けたわ」…と言いたいのを我慢して
「名前とか…髪長めだし遠くから見て女の子かと思ってた」と思ってた事をフツウに述べてしまった。

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