翌日。生徒会室でお昼を食べながら葵は盛大なため息をついた。

「はぁぁぁー」

「何?葵。ご飯が不味くなるからやめてよ。」
秋彦が顔をしかめた。

「だってよー…」

「葵さんの予想した通りになってしまいましたからね。」
悠紀は申し訳なさそうに笑った。

「あぁ、髪型?みんな見事に短くなったよね」
秋彦がサンドイッチを口に運ぶ。

「残るロングは一ノ瀬くらいだろう。」
高瀬が書類を捲りながら言った。

「あ!そうだよ、葵!羽衣ちゃんだよ!」
秋彦が嬉々として言った時、机で高瀬と悠紀の訂正記事を書いていた羽衣が顔を上げた。

「無理だよぉ、秋ちゃん。羽衣と葵くっつけてぇ、自分の噂を消そうとしてもぉ。」
羽衣はにぃーっこり笑顔。

「世の女生徒はぁ禁断の愛の方が萌えるんだから!」

「ねぇ…羽衣ちゃん…“もえる”って字間違えてない…?」
秋彦の意見はサラリと無視して羽衣は言う。

「生徒を楽しませるのもぉ生徒会の仕事だよ♪」

「…っ!結局一番楽しんでるのは羽衣ちゃんじゃないかぁ!」
秋彦の叫びが秋の空に響いた。

下剋上編・END

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