『一ノ瀬学園生徒会』
「ゆーちゃぁんっ!どぉしよぉ〜!」
文化祭から1ヶ月たったある朝。悠紀が登校するなり羽衣が泣きついてきた。
「羽衣さん?どうしました?」
悠紀が聞く。羽衣は廊下を指差した。人だかりが出来ている。
「ああ…今日は実力テストの結果が出る日でしたか…。」
成績重視の実力主義な学校なのに、悠紀はのんびりしたものである。廊下では生徒達が一喜一憂している。
悠紀は羽衣を連れたまま掲示板に近付いた。順番に見ていく。
1.藤堂高瀬
2.水上悠紀
この二人は全く変動なし。
13.加賀葵
「葵さんは少々油断したようですね…」
悠紀は呟いた。
41.仙道秋彦
「惜しかったですね、秋彦さん。同じクラスになれたかも…」
悠紀はそこで言葉を切った。そして羽衣を見下ろす。
「あれ…羽衣さんは何位…?」
羽衣はビクッとして顔を上げた。
「ふぇー…ママに怒られるぅ…」
82.一ノ瀬羽衣
羽衣はついにC組落ちしてしまった。
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