3.担任の『道』

…それから担任は本当に思い出話を始めた。ヤツの初恋の相手なんて聴いても仕様がないから聞き流していたけど。

「…それで高校入ったばっかの頃だなぁ、中学ん時の先輩に誘われてね。」


…総長話にやっと辿り着くようだ。長かった…。


「オレ、もともとスカッとするようなこと好きだったし、バイク乗るって格好良いじゃん?気軽な気持ちで入っちゃったわけよ。」


…その後続く話は、非行防止週間に見るビデオみたいな内容だから省略。


「…んで、学校にバレて退学。まぁ、退学くらいで抜ける気なかったから、そのままズルズルいて、18ん時には総長よ。」

小さい族だったしね、と担任は臆する事無く話す。
でもきっと、私には言えないようなこともやってきたんだと思う。男だらけの集団だ。暴力沙汰があってもおかしくない。


「で、見るに見兼ねた親がオレをこの学校に入れたわけ。あんた将来、どうするつもり!?とか言って」

担任はたはーっと笑った。

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