ルカの近くの扉が開いた。中からロザリアが出てきた。ルカは手を伸ばしたがロザリアはすり抜けていった。
(ふぅ。ハズレ…か…。)
ルカはゴロンと仰向けになった。ルカの頭上にも扉が浮いている。
(魔法が使えなきゃ魔法使いなんて人間以下ね…何でも魔法で済ませてきたからなぁ…対処法がわからない…。)
はぁ。
ため息が止まらない。
(魔法が使えないって心細いなあ…)
また別の扉が開く。出てきたのはルカだ。
(あーあ。こっちの私は魔法使えるんだよね。いいなぁ。)
そう思いながらルカは別の扉へ入っていく自分の後ろ姿を見送った。
「うわー!俺だ!ドッペルゲンガー!?やばい!死ぬ!」
バレスのわめき声が聞こえた。ルカは起き上がるのも面倒で寝転んだまま言った。
「だから…記憶だって言ったでしょう…ロザリア様と一緒に育ったのなら心に現れても不思議はありません…」
< 51 >
[1]次へ
[2]戻る
[0]目次
Tag!小説
トホーム