「いやねぇ、悠紀たらっ。可愛いことっ」
数日後の生徒会室。
あれから咲紅は悠紀が大変気に入ったらしい。いつのまにか名前を調べ上げ、度々遊びに来るようになった。
実は驚いた事に、この咲紅、高瀬の従姉で、フルネームを藤堂咲紅と言う。
(高瀬さんが"楽しげに談笑"してたわけです…)
悠紀はそれを聞いた時、頭を抱えたものだ。
しかも咲紅は女の子が大好きな変わった人で、周りにはいつも女子のお取り巻きが…。
("誤解"って…そうですね…"男子には"媚売ってないでしょうね…)
悠紀はこの光景を見て納得した。
「そうだわ!悠紀っ。鈴蘭にいらっしゃらない?悠紀には白の制服の方が似合うわ!」
咲紅が誘いをかける。
「ダメですよ、咲紅姉さん。悠紀は行かせません。」高瀬が後ろから悠紀をはがい締めにする。悠紀はその言葉に頬を染めた。
悠紀は知らない。
水面下で今、高瀬と咲紅の熾烈な争いが行われている事を。でも大抵は高瀬の勝利!だって賞品が高瀬にメロメロなんですから。
END
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