『一ノ瀬学園生徒会』 番外編
番外編@ 秋彦、回想録。
あれは去年の秋。
僕は某音大附属中学3年生。
「…僕、別の学校に行きたい。」
演奏会やら留学やらで家にいることの少ない家族が久々に揃った日の夕食。僕は兼ねてから考えていた事を打ち明けた。
その時の家族の様子に効果音を付けるとしたら…
ピシッ
…これが最適だと思う。
とにかく固まった。雷に撃たれたような表情で。それから母が一番に回復した。
「た…たたた大変!あなた!どうしましょう!?秋ちゃんが登校拒否よぉ!」
隣の父を揺すりながら言う。
「あぁあ秋ぃ!いったい何があったんだ!?ぉぉお父さんに話してみろ!?父はいつでも味方だぞぉお!?」
父も相当パニくっている。
一方で姉達は
「うちの秋をいじめるなんていったいどこのどいつだっ!根性叩き直してやるっ」
と熱い祭に、
「そうね…あー君をいじめるなんて…半殺しにしても許せないわね…」
黒い思考の日向。
何だか会話があらぬ方向に行ってるなあ…と秋彦が思った時、
「二人とも話を発展し過ぎですよ。父さん達も少し落ち着いて下さい。」
いつも冷静で穏やかな兄、雪也[ユキヤ]が言った。
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