「なんだこりゃ…」
葵が目の前の光景を見つめて言った。B組前には物凄い行列が出来ていた。
「すごいですね…」
悠紀も唖然として呟いた。
「いったい、何が原因なんだ。」
高瀬が羽衣に問う。羽衣は何も言わずに中を指した。三人は中を覗く。羽衣が指した先には美少女。どうやら彼女が客を大量に引き寄せているようだ。
「お客さんの目当てはぁ"あの子"だし、混んじゃって人手が足りないから羽衣も裏方さんに回ったの。」
羽衣は葵から荷物を受け取りながら説明した。
「三人とも入っていいよ。羽衣が話つけるから。先に会えるようにしたげるっ。」
そう言って裏へと引っ込もうとする羽衣を悠紀が引き止めた。
「そんな…並んでる方もいらっしゃいますし、私達はあの方に会いにきたわけではないので…」


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