「あ゙ー疲れたっ」
そう言って葵はドカッと椅子に腰掛けた。
「葵さん、理事の方達の案内は上手くいきましたか?」
悠紀は聞いてみた。
「あー…それがさぁ…」
そう言って葵は語り始めた。
PLAY BACK☆1時間前。
受付に到着した葵は極度の緊張に苛まれていた。
(ま…まずは挨拶…!)
乾きがちな口を何とか開いて言う。
「ぼ…ボンジュール」
顔には強ばった笑顔を張り付けて、相手の反応を待つ。すると…
「Oh!コンニチハ!あなた案内シテくれるデスカ!?」
「!?」
「私たーち、日本のコト、日本語で知りたいデス。だかーらFrench、使わないでくださーい!」
と、ペラペラと日本語で話された。
(ええ゙ー!日本語出来ちゃうのかよっ!)
助かったような、残念なような複雑な気持ちだ。
(つーか、特訓意味ねぇー…)
などと葵が考えていると
「早ーく、行きマショウ。時間モッタイナーイ!」
と大はしゃぎで急かされた。
(…しかも軽い…。こんなのが理事でいいのかよ…)
はぁ…と呆れ顔を隠すかのように葵は空を仰ぎ見た。
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