「フランス語出来ないくせになんでフランスと姉妹校協定結んだんだか。」
ケッ!と葵がやさぐれて言った。

「協定結んだのはぁグランパの時だもん。グランパ語学堪能だし。大体、パパは婿養子だもーん。」
んーっと伸びをしながら羽衣が言った。

「でも…どうするの?フランス語なんて僕出来ないよ!?英語だって自信ないし…」
秋彦が呟いた。

「んー…羽衣は日常会話ぐらいなら平気だし、たーくんも出来るよねー?」
羽衣は上に向かって聞いた。
「ああ。一応な。」
手摺りに寄り掛かり、捜し出した資料を見つめながら高瀬はさらりと答えた。

「ほんなら二人がやればいいやん。一件らくちゃー…」
「それが…」
まとめて切り上げようとした葵を沈んだ悠紀の声が遮った。

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