「あれ〜?西崎くん、もぅ浮気?」
私はにっこりと西崎くんの背中を叩いた。
「あっ…これは…そんなんじゃなくて」
西崎くんは本気で慌てている。
「あ〜ぁ…もぅ別れよっかな?」
更に追い撃ちをかける。西崎くんはかなり焦ってる。
「嘘だょ」
私が言うと、西崎くんはかなり安心したよぅに、
「本気で振られるかと…」
と呟いた。
…まったく、すぐ本気にするんだから。でも、そぅいぅところがカワイイんだょね。
そぅ思って、改めて西崎くんのほぅを見つめたら、パッと目があった。
「「…何??」」
と聞いたタイミングがちょうどぴったりだった。恥ずかしくなって、
「えっと…西崎くんから…」
と小さな声で言った。
「あっ…あのさ…たいしたことじゃないんだけど…」
西崎くんも恥ずかしいのか、目を伏せている。
「なんか…手でも繋ぎたいな…って」
「…何だ、手かぁ…」
ちょっと期待はずれだった。本当は…キス、とかがよかったかも。恥ずかしすぎて言えないけど…。

差し出された手を握りながら、私は思った。

…けど、これも結構幸せなんだけどね。

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