好きじゃないのに無理に付き合ってても意味がない。
だから私は、別れが来ても泣かないつもりだった。
…少なくとも、彼の前では。
だから私は、別れの台詞を言われた時も笑っていた。
「今までありがとぅ。短い間だったけど楽しかった。幸せになってね」
精一杯だった。
いつ、涙が溢れるかと思った。
思わず彼の手を握ったのは、ぬくもりを忘れたくなかったから…。
彼の後ろ姿を見ながら、私は泣いた。
涙が止まらなかった。
胸が張り裂けるよぅに痛かった。
もぅ…立ってさえもいられない。
別れがこんなに辛いなんて。
知らなかった。
許せなかった。
最後に抱き締めたぬくもりだけ、残していったあなたを。
だけど好きだった。
ずっと傍にいたかった。
誰よりも愛していたのに…
離れたくない…
ねぇ
止まらないょ
大好きの涙…
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