「藤咲さん?」
突然名前を呼ばれた。
見ると、由加が心配そぅに見つめていた。
「…何?心配そぅな顔しちゃって」
「えっ…。なんか…私と春樹君、二人だけで話しちゃって…。藤咲さん、居づらかったかなって」
由加が、申し訳なさそぅに言う。
でも…由加が悪いわけじゃない。
勝手に嫉妬したのはあたしだし。
「ううん、気にしないで。それより、よかったね」
「え?」
「彼氏と再会できて」
「ちょっ…何言ってるの?!」
由加が顔を真っ赤にした。
「春樹君とは…まだそんな関係じゃないょ…」
「まだ…ってことは、これから…」
「ちがっ…だって私が勝手に好きなだけだし…」
由加の声が小さくなっていく。
顔はさっきよりも真っ赤だ。
…素直ね。まったく。

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