「えっ?!嘘?!」
由加が、ほとんど叫び声をあげた。
あぁ…。
あたし、馬鹿だ…。
よりにもよって、由加にバラすなんて…。
「嘘じゃない…」
あたしは、ほとんどヤケで言った。
「昨日、空き家と間違われて…それから住み着いてるの」
「そぅなんだ…。」
その時、由加の唇がかすかに動いた。
言葉に出さなくてもわかった。
「会いたい?」
由加は頷いた。
「…家、来れば?」
「いいの?」
由加の顔が輝いた。
「うん…バラさないならね」
「当たり前だょ!」
だけど本当は嫌だった。
何でかはわからない。
でも…。
春樹とのこと、由加にだけは…。
知られたくなかったから。
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