―結香視点―
『話したいことがあるの』
突然、由加が腕をひっぱった。
「ちょ…由加!痛いょ!」
「ゴメン…強くひっぱりすぎた…」
由加はそぅ言いながらも、手を離そうとはしなかった。
ようやく解放されたのは、倉庫の裏側に来た時だった。
「もぅ…わざわざこんな所に来なくたって…」
「ゴメンね!でも、皆の前じゃ言えないことだから」
そんな大事な話なのか…。
もしかして。
「お昼休みに、ハルキ君の話したの覚えてる?」
…やっぱりそれか…。
あたしは頷く。
「それでね、あの…もしかしたらとは思ぅんだけど」
何?
まさか気づかれた?
「藤咲さん、ハルキ君の居場所知ってたりする?」
ギクッ…。
知ってるも何も…。
「同居してるし…」
あっ!
言っちゃった…。

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