「なーんか嬉しくなさそう」


真は顔を覗き込むように首を傾けながら聞いてくる。


「んー…何かさ、またあの人の流れの中へ戻るんだなーと思って」


私たちは大通りの方へ目をやった。相変わらず人々は忙しなく流れて行く。



少し茶色く染めたストレートロングの私の髪が風に揺れる。



「息抜きの時間も終わりってことやね」


真が呟くように言った。


「………息抜き?」

「人生どっかで息抜きの期間も必要やと思うねん。りさこさんはそれが今やったんじゃない?」

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