「ふーん、いい感じなんだ。その年下ボーイと」

ニヤニヤと笑みを浮かべながら由利は言う。

「随分ハマっちゃってるみたいね」

「別にそんなことっ…」

相変わらず由利は笑みを浮かべながら横目で私を伺う。




任されていた企画が終わってオフだから買い物に行こうと由利から電話があったのは昨日の夜のこと。



「年下なんて考えてもみなかったなー」

「莉砂子は視野狭すぎ!実際、年下からモテはするけど、あんたが興味ないから…」

「そうなの?!年下にウケいいの?」

「クールな大人の女に憧れる男は少なくはないよ」

なるほどっと頷く。
疲れたからどこかカフェにでも入ろうと、街を歩き進む。

「莉砂子の場合は年上の男によしよしされるより、案外年下の男の無邪気なストレートさにキューンってなる方かもね」

「そうなのかなー」

実際のとこ、秘書の私は恐ろしいほど忙しくて会社の人間、特に他の部と関わることなんてほとんどなかった。
営業部とか若い男の子がいそうな場所とは無縁に等しかったのだ。

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