「真!」


何を思ったか、車から降りて呼び止めた。

真はきょとんとした顔で振り向く。

「これ…」

私は真に駆け寄り、森田くんと偶然会ったときに買ったCDを手渡した。

「今日買ったんだけど、よかったら聞いて」

「え!いいん?うわぁ、ありがとう!何か嬉しいんやけど」

「うん。じゃぁ、おやすみ」


車へ戻り、再び車を走らせた。


自分のために買ったCDだけど、意外に音楽の種類が似ているから多分気に入ると思った。

物で繋ぎ止めておきたいなんて陳腐な考え…。

でも、真の言葉が嬉しかったから。

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