周りの人たちも、真の一言を聞かなかったらきっと星空なんて見上げなかっただろう。
感動ものの映画を観た後だからだろうか、やけに星空がきれいに見えた。

「相変わらず大きい声」

「あ、やっと笑った」

ふっと笑った私に、真は優しい笑顔を向けた。

「戸惑っちゃって」

「ん?」

「私、年下って範囲外だっから」

「え!そうなん?!」

私はこくんと頷く。

真の問いかけに少し考え、もう一度星空を見上げた。

「ありかもね……本当、どうかしてる」

< 54 >

[1]次へ
[2]戻る

[0]目次

Tag!小説


トホーム