「りさこさんて、もしかして○○会社で働いてます?」

"先輩"の男の突然の質問に驚いた。正しくは"働いてた"だけど、なぜ知って知っているのだろう。

「もう辞めちゃったんだけどね。何で知ってるの?」

「帰りにあのビルの前通るんすよ。何回か見かけたことあって」

「…そう」

「○○会社って超大企業じゃん!何でやめたんですか?」

女の子の質問に戸惑った。クビになったなんて言えるわけがない。また変なプライドだ。

「えっと…」

「社長がむかつくから怒鳴りつけて辞めたんやって」

私が返答に困ってる間に真が嘘っぱちなことを口にした。でもそれがかえって助け船になったりした。

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