「いらっしゃいませー」

冷房のきいたコンビニの中でレジをうつ毎日のこの頃。こんなはずじゃなかったのに…。
数ヵ月前まではバリバリのキャリアウーマンだった私は取り引き先のセレブな専務と恋に落ちた……が、
落ちたのは、恋だけではなかった。
相手は何といっても有名な御曹司。スキャンダルの芽は紡ぎとらなければならなかったらしい。結局私はクビにされ、職まで落ちたというわけだ。

「あ、また来てる」

私がコンビニで働き始めたあたりからよく来る男の子がいた。
大学生くらいだろうか。
買うものは決まって、おにぎりとサラダ。大学生らしいと言っちゃ、らしいけど、今時の若者にしては健康的と言うか…シンプルな食生活だ。
『若者』とか言ってるけど私だってまだ25歳。ギリギリ『お姉さん』と呼んでもらえる年かな。

< 2 >

[1]次へ
[2]戻る

[0]目次

Tag!小説


トホーム