『W.T.F』
秋深まる季節。
私はバイオリン教室の帰り道、街路樹のイチョウの葉を踏みわけながらゆっくりと歩いていた。
「もうすぐ発表会かぁ」一ヶ月後に控えている私たちの小さなバイオリン教室の発表会は他の教室のバイオリンの生徒はもちろん、個人のピアノやアンサンブルも含めて大きなものとなる。
私は今回、ひとりで出ることになっている。
先生に渡された発表会のレジュメを見ながらぼーっとしてると通行人にぶつかった。
「わりっ」
「あ、こっちもぼーっとしてたから」
あぁ。なんだかやるせない気持ち…。うまくいくかなー…。
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