「フラれたのは私なのに、由羽が泣いてどぅするの?」
奈緒はあきれたよぅに、言った。
「だって…」
「はぁ…」
奈緒はまたため息をついた。
「フラれた理由、教えてあげよっか?」
「えっ…?」
「ほかに好きな人がいるんだって。」
奈緒はそぅ言って、ちょっと笑った。
「だからね、由羽も可能性あるんじゃない?」
えっ…奈緒…。
私が松島君を好きって知ってる…?
「だからさ、元気だして!ね?」
優しい…。
フラれて辛いのは奈緒なのに。
違う…。
フラれるずっと前から、奈緒はどんなに辛くて苦しかったんだろぅ。それに比べて私は、自分で勝手に暴走して泣いて、本当は一番辛い人に甘えてるんだ…。

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